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ブランディング強化の一手法としてのコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングジャパンが開催された東京ビッグサイト

2月7日(木)~8日(金)に東京ビッグサイトで開催されたコンテンツマーケティングジャパン 2019に参加してきました。同時開催のイーコマースフェア 2019も含め、弊社からは6名の社員が参加しました。

私は「コンテンツマーケティング×ブランディング」を中心にセミナーを拝聴してきましたので、そのあたりをここにまとめたいと思います。

ブランディングの意味と目的

分かるようで分からないブランディング

機能的価値だけでなく情緒的価値も重要なブランディング。少々とっつきにくい印象を持たれている方もいらっしゃるかと思います。

セミナーでも「顧客からの見え方と企業が見せたい姿のギャップを埋める」「共通のイメージを共有できるよう施策を打つ」などなど様々な解説がありましたが、比較的馴染みが薄くて専門的な分野であるが故に、(何事もそうですが)少し聞いただけでは深い理解が難しい一面があります。

ブランディングとは

話は少しそれますが、「brand」(ブランド)の語源は「Burned」で焼印を押すという意味があります。過去には自分と他人の家畜を区別するために焼印を押していたようです。そこから「銘柄」など「区別」を想起させる言葉に転じていったそうです。

多数のセミナーを聞く中で、とある登壇者の方がブランディングに関して以下のように説明されました。

ブランディングとは、そのブランドを好きになってもらって、買ってもらうこと

効果が感じられたとしても、明確な因果関係が見えづらいと言われるブランディングですが、ビジネスの中でブランディングを行うのだとすれば、私は上記の説明が一番しっくりきました。それを目的とし、理論があり、戦略・戦術があるのだと理解しました。

ブランディングを高めるコンテンツマーケティング

ブランディングのメリット

ブランディングの長期目標はファンを増やすこと。それが出来れば多少の高価格でも商品が売れ、価格競争から脱却するきっかけとなります。コモディティ化した分野でも頭一つ抜けた存在になることができると言われています。

このように、うまくいけば大きなメリットを享受できると知りながらも、簡単には取り組めない印象があります。ブランディングにはしっかりとした戦略・戦術、調査・分析、プランニングが必要です。それを社内リソースだけで行うのは容易ではありません。また、コンサルタントに依頼するとしても、費用面がネックとなり頓挫する場合もあります。

コンテンツマーケティング=ブランディング

しかしながら、コンテンツマーケティング関連のセミナーの幾つかでは、こんな言葉も聞こえてきました。

コンテンツでユーザーの課題を解決することは、信頼関係の構築である
コンテンツでユーザーの課題を解決すること、それ自体がブランディングである

そのブランドを好きになってもらって、買ってもらうことがブランディング。そうであれば、ユーザーの課題解決を一つの目的とするコンテンツマーケティングは、ブランディング強化の一手法となり得ます。自分の課題に答えを示してくれるコンテンツ配信者に好意を抱くことは自然な流れですし、顧客ロイヤルティを高める効果はコンテンツマーケティングのメリットとしてもともと謳われてきました。

コンテンツマーケティングとペルソナ、そしてブランディング

検索意図の把握・仮説

Googleサジェスト、キーワードプランナー、関連キーワードから検索意図を推測する。実際の検索結果を確認し、上位表示されているページを研究する。そして、検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツを作り上げる。

良く知られたこのあたりの手法は、多くのセミナー登壇者も実践されていることが窺えました。言わずもがな、ブランディングが目的であれ何であれ、検索意図に対する仮説は必要です。

ペルソナ設計がブランディングの礎に

さらに、何名かの登壇者の方が、同様の単語を使ったかどうかは別として「ペルソナ」について語っていました。私は二日間のセミナーを聞き終え、その「ペルソナ」を含めた以下二点が印象に残りました。

  • 検索意図に対する解(コンテンツ)として、自社保有情報である0次情報、あるいはインタビューやアンケートなどによる1次情報をあてる
  • コンテンツマーケティングにおける細かなペルソナ設計

一点目はGoogleのEATに関する話の中で発言されたものです。二点目に言及したセミナーでは、何度もペルソナの重要性を説き、設計例も紹介されました。

年収~万円
~勤務/職種は~
~大学~学部卒
~時に起床、朝食は食べない
~~を愛読
iPhone8を所有
週末は~~
デートは~~

など(まだまだたくさんあります)、特定の人物を細やかに想像し、その上で自社製品がどのように認知され、コンバージョンに至るのかを設計するそうです。事細かに設計すれば、対象のペルソナにとって必要な情報、彼・彼女の課題を解決する情報が自ずと決まり、結果として「コンテンツによる課題解決を起点とした信頼関係の構築」「ファン化」がなされるということです。

ペルソナが明確であれば訴求手段はもちろん、見せるべき姿、刺さるデザイン、コミュニケーションの空気感もイメージしやすいため、ブランディングを志向したコンテンツマーケティングにとっても重要な参照情報となります。

実施可能なブランディング活動の第一歩

ブランディングを本格的に実践する場合、インサイトの深堀り、提供するベネフィットもしくはポジショニング、組織的な取り組みなど様々な要素が関わり、つい二の足を踏んでしまいそうになります。

しかしながら、今回のセミナーを拝聴し、自社が所有するノウハウとペルソナ設計を以て真摯にコンテンツマーケティングに取り組めば、ブランディング活動の第一歩を踏み出せるのではないかと考えました。

コンテンツマーケティングジャパン 2019が開催された二日間は非常に有益でした。このようなセミナーには、これからも積極的に参加したいと思います。

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